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源泉徴収票をもらえない場合はどうしたらいい?

2022年8月13日

会社員であるサラリーマンが勤務先から受け取る給料や、フリーランスなどの個人事業主が取引先から受け取る報酬がある場合には、年末調整や確定申告を行う必要があります。

年末調整や確定申告を行う事により、1年間のうちに稼いだ収入に対する正しい税金を計算して納税する事になります。

その為には給料や報酬の支払い先から源泉徴収票を受け取り、その源泉徴収票を基に年末調整や確定申告を行います。

年末調整や確定申告をする為には源泉徴収票が必須となりますが、この源泉徴収票をもらえない場合について解説していきたいと思います。

源泉徴収票とは

源泉徴収票とは、勤務先である会社や外注先である取引先より1年間に支払われた給料や報酬、1年間に支払った、すなわち源泉徴収された源泉所得税が記載されたものになります。

源泉徴収票は法定調書の一つであり、給与・退職手当・公的年金等の支払をする者が、その支払額及び源泉徴収した所得税額を証明する書面で全3種類があります。

1月31日までに税務署へ提出し、支払を受けた者にも交付しなくてはならないものになります。

源泉徴収票を支払を受けた者へ交付するタイミングは、一般的に12月に行われる年末調整の後に発行されるため、12月分の給与明細とともに受け取ることになります。

しかし、12月までに退職した場合には最後の給与が確定した後、1カ月ほどで発行されることになります。

源泉徴収票が必要になるケース

源泉徴収票が必要になるのは上述したように確定申告を行う必要がある場合です。

下記のような場合に該当する人もこれまで勤務していた会社から源泉徴収票を受け取る必要があります。

  • 退職した場合

年の途中に退職した場合には、勤務先から源泉徴収票を受け取る必要があります。

原則として、会社側は退職した1ヶ月以内に退職者へ源泉徴収票を交付する義務があります。

しかし、会社によっては年末に現在勤務している従業員と同じタイミングで源泉徴収票を交付する会社もあるので、早めに源泉徴収票が必要な場合には勤務していた会社へ連絡する必要があります。

  • 再就職した場合

再就職した場合には、新しい勤務先で年末調整する事になります。

しかし、年の途中で退職し、前勤務先で給料をもらっていた場合には前勤務先の源泉徴収票がないと年末調整する事が出来ません。

よって再就職した場合にも源泉徴収票は必ず貰うようにしましょう。

源泉徴収票を発行してもらえない場合 

これまでに解説してきたように源泉徴収票は1年間に稼いだ収入に対する源泉所得税を計算するためには源泉徴収票が必要になります。

しかし、必ずしも退職した場合に源泉徴収票を発行してもらえるとは限りません。

まず、源泉徴収票が発行されない場合には、税務署へ「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する必要があります。

ここではいくつか事例を挙げながら源泉徴収票が発行されない場合や紛失してしまった場合の対応策について解説していきたいと思います。

  • 退職後、源泉徴収票を受け取らずに会社が倒産した場合

源泉徴収票は支払先である会社しか発行することが出来ません。

退職した後、源泉徴収票を受け取らずに支払先の会社が倒産した場合には、税務署へ相談し、源泉徴収票不交付の届出書を税務署へ提出することになります。

  • これまで勤務していた会社を退職した際に、従前の勤務先が源泉徴収票を発行してくれない場合

通常であれば退職した後、1ヶ月ほどで源泉徴収票を受け取ることが可能ですが、年末になっても源泉徴収票を発行してくれない場合や、源泉徴収票の発行依頼をしているのに発行してくれない場合には、税務署へ源泉徴収票不交付の届出書を提出します。

この届出書を提出する事によって、税務署が従前の勤務先へ税務指導をしてくれるので、通常はこの段階で源泉徴収票を発行してくれることになります。

  • 源泉徴収票を紛失してしまった場合

従前の勤務先から源泉徴収票を受け取っていたが、紛失してしまった場合の対応について解説します。

源泉徴収票を発行出来るのは、給料の支払者でないと発行することが出来ません。

紛失してしまった場合には、支払者へ再発行を依頼する必要があります。

再発行を依頼したが、源泉徴収票が手に入らない場合には、所轄の税務署に相談して必ず源泉徴収票を受け取る必要があるので、紛失しないように大切に保管すべきです。

まとめ

源泉徴収票は上述したように、1年間で稼いだ収入に対して課税される源泉所得税を正しく計算するために、必ず必要になります。

源泉所得税がないと確定申告をすることが出来ません。

そのため、源泉徴収票がない場合には確定申告をすることが出来ないので、支払者が何らかの事情により源泉徴収票を発行する事が出来ない場合または紛失してしまった場合には、税務署へ相談し、源泉徴収票不交付の届出書を提出する必要があります。

このような場合でお困りの方は本稿が参考になれば幸いです。

投稿者
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新川 尚

exillia accounting officeの税理士・公認会計士です。
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